浜松倉庫株式会社 在庫管理システム(WMS)導入事例

    「正確に、迅速に、親切に」をモットーに、IT化で経営課題を克服

    集合写真

     浜松倉庫㈱様は1907年(明治40年)創業の静岡県浜松市を地盤にした老舗の倉庫会社です。「正確に,迅速に,親切に」をモットーに,倉庫・物流の基幹業務をベースに総合物流事業を展開しています。
     同社は2018年12月,㈱豊田自動織機ITソリューションズ製WMS「LogiComp」をカスタマイズした「Marukura SEIJI's Logistics System(通称:SEIJI)」の本格稼働を開始しました。導入のきっかけは,浜松倉庫㈱様が2015年8月に着手した社内プロジェクト。同社代表取締役社長の中山彰人様は,「将来的にシステムですべてを動かし,データ管理をしていかないと,会社の生き残りが図れないという強い危機感が,プロジェクトのスタート地点でした」と語ります。

     

    WMS導入の背景

    社長

     その背景には,外部要因と内部要因の両面がありました。外部環境としては,物流倉庫業界では倉庫業から総合物流業への転換を進めた大手3PL 企業が台頭し,静岡県内では地場の倉庫会社との2極化が進み,厳しい競争にさらされていました。一方,内部環境では,30代の若手人員が不足。加えて,従業員は日々の業務に追われ,中長期的な視野に立つ人材育成が立ち遅れていた経営課題もありました。
     そこで中山社長は社内で抜擢した若手管理職を中心に20代後半のメンバーも集め,業務棚卸や事業戦略の構築を目的に社内プロジェクトを発足。これらの課題解決に向け,プロジェクトメンバー達が具体的な企画を練り上げました。プロジェクトマネージャーを担当した伊藤浩嗣経営企画室室長は,「議論の中で問題意識として芽生えてきたのが,そもそも我々はお客様のニーズを捉えて仕事をしているのかという根本的な疑問と危機感でした」と述べています。
     その結果,プロジェクトの目的を,荷主や顧客のニーズに応じた高度なサービスをタイムリーに提供するため,社内のITシステム基盤を再構築することに設定。社内のメンバー間でプロジェクトの方向性や社内の課題を徹底的に議論し,全社員へのアンケート調査等も実施しました。こうして取り組むべき課題を,①業務のスリム化(事務所),②営業力強化(営業),③品質向上(現場)という3つのポイントに集約し,取り組みを推進しました(下図参照)。

    浜松倉庫様のプロジェクト成果

    構成図

    「LogiComp」の特徴

    LogiComp

     システム業者としては㈱豊田自動織機ITソリューションズを選定しました。「システムに詳しくない我々に対し,パートナーとして同じ目線で接し,時には厳しい意見も言って下さる点が決め手になりました」(伊藤室長)。
     そこで㈱豊田自動織機ITソリューションズは,親会社の㈱豊田自動織機をはじめ様々な顧客のITサポートを通じて培ってきた,トヨタ流の問題解決能力と倉庫管理システムのノウハウを1つのテンプレートに集約した「LogiComp」の導入を提案しました。同システムを中心に,倉庫料計算や流通加工管理,伝票発行,運賃管理,WEBオーダー等のサブシステムを構築。既存システムとの連携および倉庫現場のハンディターミナルやラベルプリンタ等を活用したWMSでシステム基盤の構築を進めました。

     WMS導入の成果

    ①業務のスリム化
     浜松倉庫㈱様の事務所では従来,お客様とのやり取りはFAXが主流でした。しかし,新たに構築したWEBシステムやデータ連携の仕組みをお客様にしっかり説明してご理解いただいた結果,データ入力への転換が進展。現在お客様からの発注他,やり取りの8割強はデータで連携できるようになりました。その結果,従来は事務所従業員のメイン業務だった入力作業は激減。空いた時間はデータ分析等のクリエイティブな仕事へのシフトが進み,業務のスリム化の効果が生まれました。倉庫現場でも,出荷伝票やピッキングリスト,入出庫報告書,荷口票等のペーパーレス化が進展。この結果,事務所・現場の従業員とも残業時間を平均3~4割程度削減しています。

    ②営業力強化
     また営業面では,データ連携によって,「見える化」の効果を発揮しています。お客様はWEBを通じて,荷物の入出庫や在庫の状況をはじめ,問い合わせ番号を通じた路線出荷の荷動き等が,WEB上でリアルタイムに把握できるようになりました。

    ③品質向上
     従来の倉庫現場では,入出庫作業をはじめ,すべて目視が基本だったため,人為的ミスによる誤出荷が発生していました。それが新システム導入以来,無線LANを使ったハンディターミナルでリアルタイムにチェック可能になり,誤出荷はゼロに。もともと浜松倉庫㈱様には厳しいチェック体制の社内文化があり,品質の高さに定評がありました。そうした下地に,精度の高いシステムが加わったことで,誤出荷ゼロを実現できたのです。

    お客様の声

    浜松倉庫㈱ 代表取締役社長
    中山彰人様

     今回のプロジェクトの成果は、働き方改革となる残業時間の削減も含め、人材採用の素地にもなっています。当社は従来、物流会社では珍しく従業員の95%は正社員採用しており、15年ほど前からは倉庫現場の女性従業員の採用もスタート。今フォークリフト作業者の1/4を女性従業員が占める等、現場での女性比率が圧倒的に高いのも当社の特長です。今後の生産年齢人口縮小に向けて,どう会社の生き残りを図るのか,という問題意識から,システムですべてを動かし,データで管理可能にすることが不可欠だと考えたのです。「SEIJI」の取り組みを通じて十分に社員のレベルや考える力が上がってきていますから,今後は現場のロボット化やAIの活用等のステージにも挑戦して行きたいと考えています。

    フォークリフト2

    フォークリフト1

    お客様情報

    ロゴ

    所在地 静岡県浜松市中区中央三丁目8番35号
    設立 1907年(明治40年)2月28日
    事業内容 倉庫業、通運業、一般区域貨物自動車運送業、不動産賃貸業、レストラン事業
    URL

    https://www.hamamatsu-soko.co.jp/


    はままつ地ビールレストラン
    マイン・シュロス

    http://www.meinschloss.jp/

     本導入事例のダウンロードはこちら

     無線LAN導入事例

     BIツール Qlik Sense導入事例

     

    TIISの物流ソリューションはこちらから

    倉庫管理を見える化する

    「LogiComp-WMS」

    img_category_03_02

    Read more