お役立ちガイド

WMSのよくある課題

私は豊田自動織機ITソリューションズ(TIIS)で物流・倉庫業務のコンサルタントを担当している田中と申します。本ガイドでは、物流・倉庫業務に従事するみなさまのお役に立つ情報を発信しています。

今回は、WMS(倉庫管理システム)のよくある課題について考えていきたいと思います。倉庫内での作業をより速く、より正確に行うためには何が必要なのでしょうか?

倉庫管理お役立ちガイド_WMS周辺のよくある課題

誤出荷をなくすには?ある商品が1本欲しいという注文が入ったのに1ケースと間違えて出荷してしまうといったヒューマンエラーも…


WMSとはWarehouse Management Systemの略。日本語に訳すと倉庫管理システムとなります。倉庫の入出荷管理や在庫管理などの機能を持ったシステムのことで、倉庫内の業務の品質や生産性を高めるために使われるものです。例えば、冒頭のような課題を解決するために役立つシステムだと言えるでしょう。

ヒューマンエラーが起こる原因のひとつは、アナログ的な作業によるもの。注文が入ったら、ピッキングリストが印刷され、そのピッキングリストを持って商品を置いてある棚からピッキングをするというのが一連の流れになりますが、人間の作業なため、どうしても間違いが起きやすくなるのです。

現在は慢性的な人手不足で、倉庫内で働く人の確保が難しい状況。少ない人数で業務を回している中、注文が集中してしまったりすると、どうしても注意が散漫になりがちになり、誤出荷が起きやすくなってしまうのです。誤出荷のリカバリには多大な時間と労働力が必要となるため、いかに発生させないようにするかが重要となります。

商品が置いてある位置をきちんと把握できていないため、ピッキングするのに時間がかかってしまう。


大手の物流・倉庫事業者であれば、「マテハン」と呼ばれる商品のピッキングや仕分けをするための機械を導入できますが、設備投資に費用をかけられない中小事業者は、人の手に頼らざるを得ないのが現状です。

倉庫には何百点、いや何千点にも及ぶ商品が並んでいます。そのすべての位置を把握するのはベテラン作業者でもなければ不可能な話ではないでしょうか。注文が入ってピッキングをするまで、人間と機械のどちらが速くかつ正確にできるかは火を見るよりも明らかでしょう。人がピッキング作業をする場合、どうしても時間がかかってしまい、作業ミスが発生してしまいます。

倉庫管理お役立ちガイド_WMS周辺のよくある課題_ピックアップ

上記2つの課題を解決し、より効率的に業務を行うためにはWMSの導入が必要。


ヒューマンエラーを防ぎ、しかもスピードアップをはかるためには、マテハン導入など、機械化を推し進めることが必要になりますが、中小の事業者様にとっては、簡単にはいかない話でしょう。マテハン導入をするにしてもWMSは必要となります。そのため、まずは効率的な倉庫業務の運営を考えるなら、WMSの導入から進めることが第1段階となります。

WMS導入でコストがかかった分は、スピードアップによる取り扱う荷物量の増加やミスの減少、人件費の削減といった業務の効率化によって吸収できるのではないでしょうか。

多発するヒューマンエラー、慢性的な人手不足といった物流・倉庫業界が抱える典型的な課題に頭を悩ませているという企業様は、WMS導入を一度検討する価値があるのではないかと思います。

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