生産現場の課題を見える化する第1歩
みなさん初めまして。
私は豊田自動織機ITソリューションズ(TIIS)で業務コンサルタントを担当している中村と申します。このたび生産現場のみなさまのお役に立つ情報を発信していくことになりました。私がその原稿を担当しますので、よろしくお願いいたします。
第1回目の今回は、生産現場でよく耳にする「在庫や進捗を把握できない」というお悩みについて、原因と解決の糸口を交えてご紹介します。
生産管理担当者が部品の在庫や仕事の進捗状況を把握できない
生産現場へ足を運び、管理担当者をはじめ、生産現場で仕事をしている方々のお話を伺うのが、私たち業務コンサルタントの仕事のひとつです。さまざまな立場の方が、さまざまな悩み事を打ち明けてくださいますが、よく「在庫や進捗状況が把握できていない」という話を伺います。
現場の状況をきちんと把握し、必要に応じて指示を出したり、工程を調整したりするのが、生産管理者本来の仕事のはずですが、なぜそのような事態になってしまうのでしょうか?生産管理者へのヒアリングをさらに深掘りしていくと、次のような声が挙がりました。
- 実は会社から「生産の効率化をしなさい」と言われているのだが、何から手を付けてよいのかさっぱり分からないため、そのまま何もせずに手をこまねいている。
現場担当者の裁量で動いてしまっていて、見込が把握できない
よく内容を聞いてみると、こんな困った状況が浮かび上がってきます。
- 現場の担当者でなければ作業時間や段取り替えの有無などがわからない状況になっている。
- だいたい納期に間に合うように作ってもらえるが、時々納期遅れが発生し得意先との調整が後手後手になってしまう。
- 欠品は発生しないが在庫を大量に保持している。
現場の方は納期遅れを発生させてしまい注意される事を嫌がり、どうしても納期に余裕を持たせる事が多いです。そうなると、そもそも課題が見えなくなり改善すべきポイントが見えなくなってしまいます。
在庫もしかり、在庫が多いと加工不良や作業遅延が発生しても全て在庫が吸収してくれるため、どこに悪さがあるのかまったく分からなくなってしまいますが、現場から見たら何が起こっても間に合わせられるように在庫を多く持っていたいと思ってしまいます。
正味作業量を把握して納期までの猶予時間を共有する
とにかく見込がなければ良し悪しがわかりません。まずは粗いレベルでいいので今日どれをいくつまで作り、明日は何に着手するぐらいから、日々計画と結果を共有するだけで構わないのではじめましょう。
毎日毎日、見込と実績を比較するうちに、計画が立てられない理由や計画通りにできない理由がいろいろと見えてくるはずです。課題が明確になってくれば対策を考える事ができるようになってきます。
おそらく今は課題がわからないので何を効率化すればいいのかわからないのではありませんか?
トヨタ生産方式では、とにかく計画を大切にします。
これは実績だけあっても、「こうしたかった」「こうなるはずだった」という計画がなければ、実績が良いも悪いもなく、改善が生まれないからです。
まずは課題を顕在化させる取り組みをしてみてはいかがでしょうか?
▼TIISの生産ソリューションはこちら
豊田自動織機ITソリューションズでは、生産管理システムの入れ替えや新規導入をお考えの方を対象に無料相談を実施しています。「生産計画が正常に機能していない」「計画変更時の情報伝達に苦労している」など、お悩みをお持ちの方は、是非、お申し込みください!