お役立ちガイド | 豊田自動織機ITソリューションズ(TIIS)

生産管理システム検討の流れ

作成者: 執筆者選択用|2019.12.14

私は豊田自動織機ITソリューションズ(TIIS)で業務コンサルタントを担当している中村と申します。生産現場のみなさまのお役に立つ情報を発信しています。

今回は、実際に生産管理システムを入れ替えたり、新しくシステムを導入したりする際の進め方をお伝えしたいと思います。

導入から年数が経っているので生産管理システムを入れ替えたいが、どのシステムにすればよいかが分からない

お客様が最初に私たちにコンタクトをされるのは、何かしらの理由があるからです。
例えば「現在使用している生産管理システムが現状に即していない」といったような悩みを抱えているケースが多くあります。

少し極端な例ではありますが、「当社では、いまだにWindows XP対応のシステムを使っています」というお客様もいらっしゃいました。さすがにそこまでは行かなくでも、導入からある程度の年数が経過しているため、生産管理システムが“無用の長物”と化している企業様は少なくないというのが私の実感です。

「使い勝手が悪いので、在庫管理には結局Excelを使っている」
「導入時の担当者が退職をしたため、システムのことを分かる人間がいない」
「販社の保証期間も過ぎているので、サポートが受けられない」

上記のコメントは私が実際に耳にした話です。
せっかくの高い投資をムダにしないためにも、システム入れ替え時に必要な流れについてご紹介させて頂きたいと思います。

STEP1:現状調査・ヒアリング

まずは体制を作ることからはじまります。導入検討を実施するために社内プロジェクトを立ち上げることです。
生産管理は製造業にとって幹となる部分になり関連部署がたくさんありますので、改善を図るためにも周り巻き込みながらプロジェクトを進める必要があります。

次に現状業務と問題点を把握をしていきます。システム自体が古くなってしまって、うまく活用できていないということもシステム入れ替えの大きな理由になると思いますが、果たして「古くなったから変える」というだけでよいのでしょうか?

意外と多いのが、営業マンに勧められるまま、「業務の効率化」という抽象的な目的で導入をしてしまったケースです。具体的な目標がないため、なんとなく使われなくなり、そのまま何年も放置されてしまったという企業もありました。

まず大切なのが、現状のシステムの分析をしっかりとすることです。活用できている機能とできていない機能を洗い出し、なぜそのような状況になっているのか、原因を探りましょう。そうすれば自ずと、業務を行う上で必要な機能が見えてくるはずです。

STEP2:新システム構想

現状分析を行い、必要な機能の振り分けを行ったら、続いては目的を明確にしてください。
せっかく導入をしたのに使えないというリスクを避けるためには、「余剰在庫を維持・管理する経費を減らすため」や「人員の配置を効率的に行うため」といった具体的な目的をしっかり決めることが大切です。

目的がはっきりすれば、自社に合うシステムがどんなものなのかが見えてくるのではないでしょうか。
また、具体的な数値目標を掲げることができれば、導入後の効果測定もきちんと行うことができます。入れてしまってそれで満足ということではなく、きちんと事後検証できる仕組みをつくることも大切です。

目的が定まったら、新システムで対応すべき課題や要望をまとめていきます。
小さなことから大きなことまであり、中には運用を変えないと解決できないこともあると思いますが各部署にて考えていきます。

課題や要望がまとまったら、今回のシステムでどこまで実施するのか範囲を決めていきます。
生産管理システムは様々な機能を持っており、ざっと思い付くだけで、在庫管理、工程管理、工期短縮、人件費削減などの効果が期待できます。

人間欲張りなので、あれもこれもとつい効果を期待しがちですが、一度に多くの結果を求めるのはあまり得策ではありません。なぜなら、費用と期限は無限にあるわけではないからです。「二兎追う者は一兎も得ず」ということわざもあるように、すべてが中途半端に終わるのではなく、優先順位をつけ、まず喫緊の課題からクリアしていきましょう。
そこまで考えたら、今回の生産管理システム検討の規模が見えてくると思います。

STEP3:ベンダー選定

ベンダー選定の際、各社の見積り条件を揃えることが必要です。
各社の見積り条件が異なる中では提案の比較も容易ではなく、ベンダー選定が大変難しくなります。
そのため、各社へ同じ見積り条件での提案を依頼するために今まで検討してきた内容をまとめて、提示が必要です。
また、各社の見積り条件が異なると、案件開始後に見積に入っていると思っていたなど認識の相違が発生するなどトラブルの原因にもなり得ます。

そのようなことを防ぐために、弊社では見積り条件をまとめたRFP(提案依頼書)の作成を推奨し、ご支援しております。
RFPではシステムの概要や要件、開発体制、開発手法、納品される成果物の構成、運用・保守の方法や内容、スケジュール、費用の見積もり、契約方法などを記載します。
RFP作成には大変時間がかかるため、要望一覧として簡易的に作成される企業もいらっしゃいます。
ただし、あまり粗すぎると見積り条件が揃わないため、注意が必要です。

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