作業指示をリアルタイム化する必要性
私は豊田自動織機ITソリューションズ(TIIS)で業務コンサルタントを担当している中村と申します。生産現場のみなさまのお役に立つ情報を発信しています。
今回は、「生産現場をリアルタイムにコントロールする」をテーマに「生産順序指示システム」の導入効果ついてご紹介します。
生産現場の進捗状況をリアルタイムに把握することができれば、急な受注や欠品、不良といった突発的な事態にも迅速に対応できるのだが…
生産現場への作業指示や進捗をどのように依頼し、把握されているか聞いてみると、次のような流れとお聞きする事が多いです。
- 翌日作業分の作業指示書を全て印刷
- それを現場の各工程へ配布
- 班長が作業順に並び替え
- 作業結果を紙へ記入
- 作業後は紙を収集して、1日1回実績を集約
生産順序指示システムを導入することにより下記のようなことが可能になります。
ペーパーレス化
作業指示、実績登録についてタブレットを活用できるので、集計作業等の不要な作業の削減が可能です。
例えば、生産指示書等で紙運用している場合、指示書の印刷・配布が必要になるので、印刷・配布作業に多くの工数がかかってしまいます。
ペーパーレスを実現すると携帯端末やタブレットになると指示書の印刷がなくなり、印刷作業の工数や紙の削減が可能となります。
また紙で運用していると記載ミスも起こってしまい、集計した後に間違ったことに気づくこともあるのだそうです。
その場合は実績記録を閾値設定なども設定できるので事前に登録間違いを防ぐことができ、登録作業の工数削減にもつながります。
在庫低減
必要なものを生産指示し、各工程の製造タイミングを同期させるためつくり過ぎを防止します。
例えば、1週間分まとめて生産指示を現場へ出している場合、出荷タイミングは1週間後にも関わらず、早めに生産を行うことはあると思います。その場合、1週間完成品や仕掛在庫の保管をすることになるので、ムダな保管スペースが必要となります。
生産順序指示システムでは後工程や出荷タイミングを考えて今造るべきものを生産することにより無駄な在庫を持たず生産が可能となります。
ボトルネックや改善ポイントの顕在化
作業着手・終了の時刻をタブレット・設備より自動取得して記録しますので、標準作業通りできなかった工程の改善へ繋げます。
例えば、リードタイムを短縮したいとなった場合、作業時間や工程間のリードタイムが把握できていないと、どこを改善すべきかの分析ができません。
作業が設定されている時間より超過している場合については何の作業がどれだけかかったか細かくデータを取ることにより問題点が的確に分かるのでよりスムーズに改善に繋げることが可能です。
また、作業着手時刻、作業終了時刻を自動取得して記録することができますので、今まで以上に工数をかけなくても詳細な実績データの取得が実現できます。
設備連携も可能なので、より効率的な実績取得も可能です。
リードタイム短縮
工程間の指示を同期することで、ワークの滞留時間が減少し、製造リードタイムの短縮が可能となります。各工程のリードタイムを1日と設定している企業も多くございます。
例えば、製造工程が4工程あり、1工程が2時間の場合、スムーズに生産できると製造リードタイムは8時間となりますが、1工程を1日とした場合は製造リードタイムは4日間となります。このように実際の製造にかかる時間と、設定している製造リードタイムが大きく異なる企業も多いのではないでしょうか。
そのため、工程毎の指示を同期することで、各工程もその指示に従い動くのでより効率的に作業を進め、製造リードタイムの短縮を図ることが可能です。
業務変更時での迅速な対応
業務変更があっても作業負担をかけずに実施することが可能となります。
例えば、急な業務変更が生じることになった時、大変になるのが他部署や取引先との調整や現場の作業員への周知徹底です。班長は、関係する部署の担当者らに電話をかけ、調整を余儀なくされます。これが意外と骨の折れる作業だと思います。
ようやく調整をつけることができたら、今度は現場の作業員への周知です。現行のように指示書を貼り出すということにすると、新しい指示書の作成、プリントアウト、個別の指示など、手間がかかることになってしまいます。
また、変更内容を確認するために、持ち場を離れなければならないなど、作業員の負担も増すことになるのです。
携帯端末やタブレットを作業員が保持すれば業務変更の指示があっても携帯端末やタブレットにて指示受けれるのでどこにいてもすぐに対応が可能です。
進捗のリアルタイム把握
計画対実績で進度を確認する事で遅れ工程への対処や異常時の早期発見が可能となります。
さまざまなセクションの人たちがリアルタイムに情報を共有できるツールがあれば、現場で起きているムダを省き、効率的な運用ができるはずです。例えば、携帯端末やタブレットを作業員が所持するようにすれば、新しい情報の周知などは簡単に行うことができます。
また一方で、今現在どのラインでどんな作業を行っているのかを一元的に管理することも可能になります。例えば、班長など現場の責任者が生産状況を逐一情報としてアップデートしていけば、その日に出荷する予定の製品が何時頃完成するのかということも瞬時に分かります。その情報を輸送部門の担当者が共有すれば、トラックの手配なども時間のムダがなく効率的に行うことができるでしょう。
ある製品の生産に遅れが生じている場合も、リアルタイムで作業状況が把握できていれば、ほかの製品を作っているラインを止めて、遅れが生じている製品の生産を優先させるといった調整も可能になります。
私たちは、このようなジャストインタイムの効率的な生産を可能にする「生産順序指示システム」を開発しました。より効率を重視する現場には最適の商品になると思います。興味をお持ちの方はぜひ、お問い合わせください。
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