MEMBER

2003年 中途入社

マネージャー

N.T.

2020年 新卒入社

スクラムマスター

U.Y.

2023年 新卒入社

開発者

S.R.

CHAPTER 01

プロジェクト発足の経緯とその内容は?

N.T.

以前より、現場にIoT基盤「Global Architecture for Ultimate Data Insights (GAUDI)」を提供していたのですが、何に利用できるか端的に説明することが難しかったこともあり、なかなか普及しませんでした。いよいよIoTへの本格的な取り組みが重要となってきたことで、改めてより目的を明確にし、「この業務にこう使える」というソリューションを打ち出すことにしたのです。

U.Y.

本格的には2023年4月に始動。まず工場連携チームを作り、現場の困りごとをヒアリングしました。そこで出てきたことが、「ラインが突然止まる」「部品のコストロスを抑えたい」の2点でした。
部品破損が原因のライン停止は、突然起こるわけではありません。予兆はあるものの人にはわからないため、設備の情報を集めてデータ化し、異常の予兆を検知するシステムを開発しました。これにより、突発的なラインの停止を防ぎ、部品寿命も最大限活用できます。

N.T.

従来は、「何日操業したら交換」というルールでしたが、想定よりも早く壊れることもあります。壊れてからでは、どの部品が原因か特定するのに時間がかかり、生産計画に大きな影響が出ていました。
このプロジェクトは、各工場に点在する計1,000〜2,000台もの設備が対象です。全ての機能を完成させてから提供したのでは、成果を得るまでに何年も要してしまいます。そこで、完成した機能から順次適用して早期に効果を刈り取ること、そして現場のフィードバックを柔軟に反映させることを重視し、アジャイル開発を採用しました。2024年6月にチームビルディングから始め、メンバー全員で「何のために開発するのか」を明確に理解することを重視しました。

S.R.

それまで顔も知らない人と開発しており、相談しづらかったのですが、チームビルディングをきっかけに、メンバーの人となりもわかり、モチベーションが大きく変わりました。
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CHAPTER 02

プロジェクトを進める上での苦労は?

U.Y.

最初の2、3カ月は大変でした。私自身もアジャイルの経験がほとんどなく、協力会社さんも、基本的には工程ごとに順に進めていくウォーターフォールでやってきているので、「詳細と期間を決めないと作れない」という状態でした。当初は2週間でできると思ったものが、3人で1カ月かかってもできませんでした。
アジャイルでは、開発者一人ひとりが自分で動かなければなりません。それなのに、最初は「誰が動くの?」「この作業さえやっておけばOKですよね」と他人事のような雰囲気で、コミュニケーションがうまく取れなかったのです。しかし、時間をかけて理解してもらい、何度か遠方の方を含めたチーム全員の対面での打ち合わせを重ねたことで、徐々にチームが回り始めました。

N.T.

ユーザーさんとの打ち合わせの動画はメンバー全員に見せました。「本当に早く使いたい!いつできますか?」というユーザーさんの生の声を聞いて、「100%は間に合わないけど、何かしらやりたい」とメンバーから出てくるようになったのです。トライアルの環境で早めに触ってもらうなど、製品版の延期はありましたが、ユーザーさんに、より早い段階で使ってもらえる方法がないか、いろいろ工夫を重ねました。

S.R.

AIを駆使したコーディング、自動テスト、CI/CDパイプラインなど、新しい技術を積極的に導入。最初は覚えることが多くて大変でしたが、使ってみると明らかに開発スピードとクオリティが上がっていることを実感できて、そのことがモチベーションになりました。

U.Y.

ペアプログラミングやモブプログラミングも導入して、2、3人で一緒に作りながらスキルを補完し合う形をとりました。一人で悩む時間がもったいないですからね。

N.T.

技術面では、属人化の解消も兼ねて、チーム編成を大胆にシャッフルしました。「特定の人しかできない」状態を強制的に変えました。それは難しいと言って、行動に移せなかったので、打ち合わせのタイミングで宣言。実行しました。

S.R.

最初は混乱もありましたね。でもやるしかない状況になり、今は特定の人に依存せずに開発が可能になっていますからね。

U.Y.

延期を重ねる中で、最終的に我々、開発者側から「こういうやり方だから間に合いませんが、ここまでの状態で、一旦ユーザーさんに提出しましょう」と自主的に提案が出るようになりました。この大きな変化があったからこそ、リリースに辿り着けたのだと思います。

CHAPTER 03

プロジェクトの成果と今後について教えてください

N.T.

一番の成果は、チームが「受け身」から「能動的」に変わったことです。以前はユーザーさんから指示された期限に是が非でも合わせていました。ところがあるとき、開発担当者から「このやり方では間に合いません。ただ、ここまでの状態で一旦ユーザーさんに提出しませんか」と自主的に提案が出てきました。その瞬間、チームが変わったと感じました。「やらされている」から「自分がやっている」へのマインドチェンジが起こったのです。これがなければ今回のプロジェクトのリリースには辿り着けなかったと思います。
次の段階としては、現在専門の外部コーチが伴走していますが、コーチなしでも自立してアジャイル開発ができるようになることと、この部署のメンバーが他部署へ横展開していくことを目指しています。

U.Y.

今回のトライアル中に、実際に機械が故障したケースがありました。その時はとても落ち込みましたが、後にデータを見直したところ、故障に至る明らかな傾向を確認できたのです。改めてこのシステムの意義を実感し、大きな成果だったと思います。今後は予兆通知で事前対処が可能になります。
採用イベントで、志願者から「開発者にとって何が大事か?」と聞かれることがよくありますが、私はいつも「コミュニケーション能力」と答えています。ユーザーさんが「これが欲しい」と言っても、突き詰めると、実は本当に求めているものは全く別のものだということがあります。例えば、ユーザーさんがAIを活用して、「こういう数式を作ってほしい」と提示してきたことがありましたが、実は本当に欲しいものは数式ではなく、その計算ロジックや環境だったのです。ユーザーさんから、何が欲しいのかをしっかり話を引き出さなければいけないのです。AIはまだ「0から1を作る」ことはできません。相手から引き出す力こそが、我々の強みであり存在意義の一つだと思っています。

S.R.

今回、社内でもまだ他部署には導入されていない最先端の技術や開発手法を支えたことは、貴重な経験でした。アジャイル的な進め方だけでなく、自動テストやCICDパイプライン、AIを活用したコーディングなど、最初は覚えることの多さに戸惑いましたが、使っていくうちに開発のスピードと品質が明らかに向上していくことを実感できました。
別部署の同期からは、自動テストやAI活用など、まだそこまで進んでおらず、手動でやる作業が多いと聞いています。この環境でやらせてもらえていることはありがたいと感じています。
入社後すぐにこのプロジェクトに関わったため、自分自身のことで精一杯だったのですが、チームビルディングで対面で進めるように変わってからは、コミュニケーションが取りやすくなったことで、相談もしやすくなりました。担当している仕事が終わったときに、「チームとして他に手伝えることはないか」と考えるようになったことが、このプロジェクトで得た一番の変化であり、自分にとっての成長だと言えます。

お客様の声

  • グループ会社との協業ということで、当社の背景や文化を説明する必要がなく、グループ特有の改善活動や分析に関する考え方などを事前共有できたため、とてもやりやすかったです。アジャイル開発でメンバー数が多く、コミュニケーション面では苦労もありましたが、わからなければすぐに聞くことができました。今回のような協業はこれまでにない稀有な挑戦で、得られた知見も多大でした。この経験を、次なる展開へとつなげていきたいと考えています。

    株式会社豊田自動織機 Hさま