MEMBER

2019年 新卒入社

プロジェクトリーダー

K.K.

2015年 中途入社

K.H.

2024年 中途入社

N.K.

2025年 中途入社

O.S.

CHAPTER 01

プロジェクト発足の背景

豊田自動織機が描くIT戦略構想を実現するためには、2019年頃から各部署が個別に運用していたAzureクラウド環境を抜本的に見直す必要がありました。本プロジェクトチームが目指したのは、セキュリティ設定や運用手順などプロジェクトごとに異なるアプローチが取られていた「バラバラな環境」から脱却し、全社共通の強固で効率的な基盤を構築すること。開発者が安心して挑戦できる環境を実現するため、「自由と統制の両立」という一見相反するテーマに挑みました。

・発端:豊田自動織機が目指すIT構想の実現が必要となった
・課題認識:その構想を実現するためには、クラウドのセキュリティ部分と設定の標準化が不可欠
・組織的要請:各部署から選抜されたメンバーによるプロジェクト発足

プロジェクトをスタートさせるにあたり、まずは現状課題の洗い出しから着手しました。

1.全社共通指針の不在
 1)プロジェクトごとにセキュリティ設定や運用方法がバラバラ
 2)個々は高レベルでも、会社全体の基準が統一されていない
 3)ガバナンスの非効率が慢性化
2.運用の非効率性
 1)統一された手順の欠如
 2)システムごとに異なる設定・手順で運用コスト増大
 3)エンジニアが本来集中すべき開発業務に時間を割けない状況
3.ガバナンス機能の欠如
 1)監査・法規対応に必要な統一証跡管理システムの不在
 2)コンプライアンス対応の困難

こうした複雑な現状を受けて、単なる統制強化ではなく「自由と統制の両立」という革新的なテーマを設定。安心安全な統制環境を提供しつつ、開発者の創造性と効率性を最大化する、全く新しいクラウド基盤の構築を目指しました。

CHAPTER 02

本プロジェクトではさまざまな専門分野から意見を募ったと聞きましたが、意見調整をどのように進めましたか

K.K.

このプロジェクト最大の壁は、技術そのものではなく、多様なメンバーの知見をいかにして一つの「最適解」へと昇華させるかという点でした。ネットワーク、セキュリティ、アプリなど、各分野の専門メンバーが集まっていたからこそ、どちらも正論で議論が平行線をたどり、なかなか前に進まない状況が続きました。

K.H.

それぞれの部署が専門性を活かした提案をしてくる場面も多かったのですが、私たちが目指したのは、この基盤の全体最適です。Azureだけでなく他のクラウドでも使える考え方や設定を作ることがゴールだったので、常にそこを見据えた議論を心がけました。

K.K.

徹底したのは、安易な妥協や多数決で決めるのではなく、常に「このプロジェクトが達成すべきゴールは何か?」という原点に立ち返ることでした。議事録や技術資料、意思決定の過程など、あらゆる情報を徹底的にオープンにして、全員が同じ情報をもとに建設的な議論ができる土壌を整えました。

N.K.

全体会議だけではなく、個別に時間を設けて議論を重ねることも多かったです。顔を合わせて、本質的な話ができる環境をつくることに重きを置きました。

CHAPTER 03

将来性を見越した設計とは、具体的にどのようなものでしょうか

N.K.

Azure固有の機能に依存するのではなく、将来的にAWSや他のクラウドサービスでも活用できるよう汎用性の高い製品選定を重視しました。一つのプロジェクト内で複数のクラウドを混在させるのは現実的ではありませんが、基盤設計の思想や運用方針を統一しておくことで、プラットフォームが変わっても同じアプローチで構築できる環境を目指していました。

K.H.

将来の運用自動化を見据え、手作業を最小限に抑えるコマンドベースの運用設計を採用しました。現在はコマンド実行による運用ですが、次のステップではこれらを自動実行する仕組みへと発展させる計画です。

K.K.

Microsoftのベストプラクティスをベースとしながらも、自社の製品構成やネットワーク・セキュリティ要件に最適化したカスタマイズを施しました。画一的な標準適用ではなく、将来の拡張性と運用性を両立させた独自設計を追求したことが重要なポイントでした。
image_ 16

CHAPTER 04

このプロジェクトによってどのような成果や変化がもたらされましたか

K.H.

従来の完全手動設定から、セキュリティ要件の8割を事前に満たした基盤を提供することで、開発者がインフラ構築に悩むことなく、本来のアプリケーション開発に専念できる環境を実現しました。個人的には、ここで習得した技術がAWSやGoogle Cloudにも応用できるため、将来性のあるスキルを身につけられたことが大きな収穫です。

O.S.

新規プロジェクト立ち上げ時の初期設定工数が劇的に削減され、開発チームの負担軽減に直結しています。基盤が整備されたことで、スタートアップ期間の大幅短縮が可能になりました。

N.K.

本プロジェクトによって基盤構築は完了しましたが、運用段階で新たな課題や改善点が見えてきてきました。それらに継続して取り組むことで、よりよい環境へと進化させていけることにやりがいを感じています。クラウド技術は変化が激しい分野なので、常に新しい学びがあり、飽きることがない仕事だと実感しています。

K.K.

これまで蓄積してきたITインフラの知見を総動員し、各専門分野のエキスパートと対等に議論を重ねながら成果を創出できたことは、エンジニアとしての大きな成長の機会でした。最大の成果は、多様な専門性を組織の最適解へと統合する手法を体得できたことです。部門最適ではなく全体最適を追求するチームマインドの醸成こそが、このプロジェクトの真の価値だったと確信しています。