MEMBER

2015年 中途入社

仕様統括

Y.T.

2022年 中途入社

開発担当(全体仕様理解、AI開発、保守・運用)

A.K.

2022年 新卒入社

開発担当(AI開発、保守・運用)

I.A.

CLIENT MEMBER

株式会社豊田自動織機

Sさま

株式会社豊田自動織機

Nさま

株式会社豊田自動織機

Kさま

CHAPTER 01

プロジェクト発足の背景

豊田自動織機L&Fカンパニーの生産管理を支える基幹システム「内示システム」を次世代の姿へと刷新させた大規模プロジェクト。将来のDX推進の「足かせ」となっていたレガシーシステムからの完全脱却と、AI技術を活用した予測精度の飛躍的向上という二つの大きな挑戦に臨みました。長年稼働してきた旧システムを安全に移行させながら、同時に次世代の予測機能を実装するという極めて高度な技術的挑戦を通じて、お客さまの業務の精度とスピードを根幹から変革することに成功しました。

・発端:豊田自動織機の中期計画における基幹システム再構築の一環として位置づけ
・課題認識:レガシーシステムがDX推進の障壁となり、メーカーサポート終了も迫る待ったなしの状況
・組織的要請:当社の重点システムとして、確実な導入が求められる戦略的プロジェクト

プロジェクトを開始する前に、長年蓄積されてきた業務上の課題と技術的制約を体系的に把握することから始めました。

1.システム刷新の緊急性
・長年稼働してきたレガシーシステムのメーカーサポート終了
・将来的なDX推進における技術的制約の発生
・拡張性・保守性の限界による運用コスト増大
2.業務プロセスの非効率性
・月1回という制限的な内示計算頻度
・3ヶ月先までという短期間の予測期間
・サマリー情報のみによる詳細分析の困難
・手作業による修正・調整業務の頻発
3.サプライヤー連携の課題
・迅速な情報共有基盤の不在
・問い合わせに対する迅速な原因分析の困難
・修正メールの頻発による信頼性の低下

CHAPTER 02

本プロジェクトで意識した点は何でしょうか

Y.T.

このプロジェクトでもっとも神経を使ったのは、長年稼働してきた旧システムとの「差異ゼロ」を目指すことでした。わずかでも想定外のズレが残れば、お客さまの業務に多大な影響を与えてしまう。そこで私たちが選択したのは、問題が起きてから対処する「後手」ではなく、徹底して「先手」を打つ戦略でした。当時はKさんが出向社員として本プロジェクトに参画してくれていましたので、スムーズに連携でき助かりました。

Kさま

システム開発に携わる立場として、実際の業務とシステムの両方を理解している必要があると常に感じていました。「なぜこの機能が必要なのか」「どう業務が改善されるのか」を考えながら、よりよいシステムにするため議論を重ねました。

A.K.

システムテストでは、旧システムと新システムを並行稼働させながら、出力される数値の差を一つひとつ検証していく必要がありました。差が生じた場合は、それが正しい差なのかエラーなのかを徹底的に突き詰めていったのですが、豊田自動織機のみなさんが都度一緒に考えてくれ非常に助かりました。

Nさま

開発の超初期段階から、私たちも積極的に関わらせていただいたことで、単にシステムを受け取るのではなく、自分たちが主体的にシステムの品質向上に参加するという体制をつくることができたように思います。
うまくいった要因はやはりコミュニケーションです。TIISのみなさんは、私たちがちょっと悩んでいる様子を見せるとすぐにアプローチしてきてくれる。そういう積極的な姿勢があったからこそ、お互いに腹を割って話せる関係を築くことができました。

Sさま

私たちとしても、従来のように「つくったものをレビューする」というスタンスではなく、設計書の段階から積極的にチェックして、「こうじゃないか」「ああじゃないか」と意見を出させていただきました。単に発注者という立場ではなく、自分ごととして取り組めたことが大きかったと思います。

CHAPTER 03

AI開発を振り返って、印象に残っていることはありますか

Y.T.

AIモデルの精度がなかなか上がらない時期が長く続きました。何度も何度も地道な試行錯誤を繰り返す、本当に忍耐のいる作業でした。一つのパラメータを変えると、よくなる部分もあれば悪くなる部分も出てくるという状況で、最適解を見つけるのに苦労しましたね。

Kさま

AIは単に技術的な精度だけを追求するのではなく、実際の業務にどう活用されるかという視点が重要だと思っていました。最終的には、AIモデルを基幹システムから分離・独立させるアーキテクチャを採用することで、将来的な改善やモデル更新を容易にする基盤を構築できました。これにより、継続的な精度向上が可能になったことが大きな成果だと思います。

Sさま

私たちとしても、AIが完璧でなくても、従来の手作業と比べてどの程度改善されるかという観点で評価していました。完璧を求めすぎず、段階的な改善を積み重ねていくアプローチがよかったのだと思います。

Y.T.

途中何度か、豊田自動織機さんや弊社経営陣からも「AI活用を諦めないで!」という言葉をいただきました。他のプロジェクトでAI活用に失敗している事例も出てきたなか、このプロジェクトにおけるAI開発は継続して取り組むようにと後押ししていただけたことが、チームの支えになりました。

I.A.

技術的なアドバイスだけでなく、業務的な観点からもさまざまな意見をいただけることがありがたかったです。また、通常はシステムテスト工程からお客さまに入っていただくことが多いのですが、今回はもっと早い段階から一緒に検証を進めていただけました。そのおかげで、内示システムに特化したAI開発という難題にも前向きに取り組むことができたのだと思います。

CHAPTER 04

プロジェクト成功の秘訣は何だったと思いますか?

Nさま

週に1回は必ず全員で集まって話し合いの場を設けていましたし、困りごとがあればすぐに議題として上げてもらい、相談しあえる体制で進めることができました。探り合いは一切なしで、お互いに腹を割って話せたことがよかったのだと思います。

Sさま

私たち自身、単にシステムを発注する立場ではなく、一緒にシステムをつくり上げていくパートナーとしての意識を持っていました。設計書の段階から積極的に関わり、よりよいシステムにするための意見交換を重ねました。

Y.T.

仕事を進める上で非常にやりやすい環境でした。大規模プロジェクトはリリース期限を守る難易度が高いのですが、顧客ニーズを常に把握しながら開発を進められたことで、スケジュール通りにリリースすることができました。

A.K.

振り返ってみると、技術的な課題だけでなく、進捗の遅れや不安に感じていることも包み隠さず共有できたこともよかったのだと思います。問題を早期に共有することで、お客さまと一緒に解決策を考えることができ、結果として手戻りの少ない開発ができました。

Kさま

長期的なパートナーシップを前提とした関係だからこそ、目先の利害にとらわれず、本当によいシステムをつくることに集中できました。単なる受発注の関係ではなく、ともに成長していくパートナーとしての信頼関係があったからこそ、この開発を進めることができたと思います。

CHAPTER 05

新システムは日常業務にどんな変化をもたらしましたか?

Y.T.

技術的な観点では、従来月1回だった内示計算が毎日実行可能になり、予測期間も3ヶ月先から12ヶ月先へと大幅に拡張。加えて、これまではサマリー情報でしか管理できなかった内容を明細レベルで1年分準備し、3段階の詳細度で確認できるようになりました。さらに、AIによる予測精度の向上により、より正確な内示情報を提供できるようになっています。過去のデータから最も近いパターンを選択して1年分展開する仕組みにより、従来の手作業では実現できなかった精度と速度を達成しています。

Nさま

まずは迅速な原因分析ができるようになったことが大きな変化です。これまではサマリー情報しかなく分析が困難だった仕入先様からの問い合わせに対し、詳細なデータに基づいて素早く原因を特定できるようになりました。また、「なぜこの数字が出たのか」を担当者レベルで回答できるようになったのも画期的です。すでに若手社員が積極的にシステムを活用してくれており、我々の本来の業務に集中できるようになりました。
フォークリフトは車と異なり確定受注生産ではなく予測生産のため、オプションを予測した部品調達が必要になります。製品仕様の大きな変更が頻繁に発生するなかでもシステムが正しく対応してくれるため、これまで都度必要だった膨大な手作業から解放されました。

Sさま

データがすぐに確認でき、すぐに調べられるようになったことで、仕入先様から「これはどうなっているの?」と聞かれても、以前のように「少しお調べします」ではなく、すぐに具体的な回答ができるようになりました。また、最新の情報を毎日仕入先様に共有できるようになったため、以前は何度も送っていた修正メールもほとんど不要になりました。仕入先様から見ても数字の信頼度が格段に向上し、システムがお客さまとの関係強化のツールとしても機能しています。

CHAPTER 06

今後TIISに期待することを教えてください

Kさま

今回のプロジェクトが発足したとき、AIの活用やビッグデータといった新しい取り組みをみんなで育てていく土壌をつくりたいとの思いがありました。結果的に、ただ単に新しいシステムをリリースするだけではなく、それを通じてどういった価値を創造できるかということを、両社でともに考えることができたと思います。本プロジェクトは今後のシステム開発のモデルケースになると思いますので、この経験を活かして、さらに発展的な取り組みにチャレンジしていきたいですね。

Y.T.

お客さまとの関係が、単なる受発注の関係を超えて、長期的なパートナーシップになっているからこそ、このような深い連携ができたと実感しています。これからもこの環境を活かして、本当によいシステムをつくることに集中していきたいですね。

Sさま

このプロジェクトを通じ、お互いの専門性を活かしながら、共通のゴールに向かって進む体制が盤石なものになったと思います。今後も、この連携体制を活かしてより大きな成果を生み出していけると確信しています。

Nさま

今後もTIISさんには、単なる要求実現を超えた積極的な提案を期待しています。今回のプロジェクトでも、AIやビッグデータといった新技術を業務改善にどう活かすかという視点で、私たちが気づかなかった可能性を示していただけました。これからも、技術の進歩を業務改善にどう結び付けるか、一緒に考えながら進めていただければと思います。私たちもしっかりとした要求を出して、よりよい解決策を一緒に見つけていく関係を継続していきたいですね。