MEMBER

2001年 中途入社

プロジェクトリーダー

H.Y.

2023年 中途入社

H.D.

2025年 中途入社

S.D.

CHAPTER 01

プロジェクト発足の背景

コクヨ株式会社は、オフィス通販「カウネット」を中心とするビジネスサプライ流通事業において、東北・北海道エリアの物流基盤強化を課題としていました。既存拠点の老朽化や札幌倉庫の閉所が迫る中、首都圏IDCへの負荷集中や、拠点間で運用が統一されていないシステムの非効率が顕在化していました。

・札幌倉庫の閉所:拠点統廃合に伴い、東北・北海道エリアの物流機能を新拠点へ移管
・梱包効率の課題:文房具から机まで商品サイズの幅が極めて広く、箱詰め時に隙間が生じるロジックの限界
現場の改善要望の蓄積:多拠点で「使いにくい」と感じられていた機能への不満が長年にわたり蓄積

こうした背景を受け、コクヨは仙台市に延床面積約15,000坪の最新鋭自動化物流センター「東北IDC」の開設を決定。最新の自動倉庫システムやAGV(無人搬送車)を導入し、2026年10月の稼働開始を目指すこととなりました。TIISは、2014年のリリース以来保守・開発を担当してきた「コクヨ統合WMS」の大規模改修を通じて、この新拠点の立ち上げを支えています。

・新拠点対応:自動倉庫・AGVとの連携を含む、東北IDCの業務運用に合わせたシステム構築
・梱包ロジックの刷新:商品サイズの多様性に対応し、箱詰め時の隙間を削減する処理の根本的な見直し
・現場起点の機能改善:従来拠点で蓄積されていた改善要望を反映した追加開発
・複数拠点の統合運用:札幌倉庫の機能移管を含む、拠点横断でのシステム統合

CHAPTER 02

要件定義から設計、開発と進めていく中で、印象に残っている場面を教えてください

H.Y.

今回は2014年のシステムリリース以来の大規模改修で、最大9名が参加する体制になりました。これまでの小中規模の改修では私が一つひとつ仕様を決めてメンバーに指示するやり方で進めていたのですが、今回は開発する機能の数も期間も大きく、同じやり方では回らない。そこで、出荷系と入荷系の仕様検討に対してそれぞれサブリーダーとしての役割を任せ、現場を取り仕切ってもらうことにしました。そうした体制がうまく回ったことがプロジェクトの大きな転換点だったと思います。

H.D.

マテハン機器との連携には苦労しました。今回は新規のマテハンベンダーさんが参画されたのですが、10年近くこのシステムの保守をしてきた我々と比べると知識の量に差があります。そのため、前提をどこまで遡って説明すべきかの見極めが難しく、会議にもかなりの時間を要しました。ただ、そうやって相手に伝わる言葉を探す中で、自分自身の理解も整理されていった感覚があります。もともと別のプロジェクトで物流の現場作業を実際に体験していたので、現場の人がハンディ端末をどう使うか、どういう画面配置なら作業効率が上がるかといった「ユーザー目線」の感覚は持っていたのですが、それを設計書の言葉に落とし込んで他社のエンジニアにも伝えるという経験は、今回のプロジェクトを通じて得られたものです。

H.Y.

既存の拠点であれば運用が確立しているので、ピンポイントで仕様を詰めていくことが可能です。しかし今回は新しい倉庫に自動化設備を導入するということで、業務そのものをゼロから決めていく必要がありました。どんな倉庫ができるのか、どんな運用になるのかというところからヒアリングを重ねていくと、ドキュメントだけでは伝わりきらない部分も出てきます。認識のずれを防ぐために、ヒアリング内容を資料に落とし込んでレビューし、指摘をいただいて修正するという地道なサイクルを何度も繰り返しました。加えて、毎日の朝会で進捗と課題を全員で共有するようにしていたことも、ずれの早期検知に効果があったと思います。

S.D.

従来の拠点ではWMS側だけで在庫を管理していたのに対して、今回は自動倉庫側のシステム(WCS)も在庫を持つ構成になるので、双方の在庫をずらさずに同期をとる仕組みが必要になりました。それを実現するための連携プログラムを新規で開発するための仕様を一歩ずつ詰めていく過程を間近で見られたことは、自身にとって大きな学びになりました。

CHAPTER 03

プロジェクトの中で工夫した点や、技術的に手応えを感じた部分は

H.D.

別のプロジェクトで携わっていた物流システムに、自社と外部システムの間で在庫を移動させる際、「移動中」の状態を管理する仕組みがありました。こちらが送り出してから向こうが受け取るまでの、いわば空中にあるタイミングの在庫をどう扱うかという問題です。その設計思想が今回の東北IDCにおけるマテハン機器連携にも応用できると考えて提案したところ、うまく機能させることができました。別案件で得た知見をそのまま横展開できたのは、自分としても確かな手応えを感じた瞬間です。

H.Y.

プロジェクトを運営するうえでは、当日の作業内容と前日の進捗を全員で共有するため毎日の朝会を重視しています。大きな規模のプロジェクトでは、気づかないうちにどこかで認識がずれていき、後から修正しようとすると大きな手戻りが発生してしまう。それを防ぐために、課題管理ツールも活用しながら、社内外のコミュニケーションにおける齟齬を最小限にとどめることを心がけてきました。また、コクヨさまのシステムに精通していないスポット参加のメンバーには、業務知識がなくても仕様を決定できる領域を担当してもらい、私自身は最終判断に集中するという役割に注力しました。

S.D.

物流システムの仕事に携わって魅力を感じたのは、自分が作ったものが現場ですぐに動き、その結果が目に見える形で返ってくる点です。前職でもシステム開発をおこなっていましたが、領域の特性上、開発した先の反応を実感しにくい環境でした。物流システムの場合、倉庫の中で実際に端末を手に取るエンドユーザーとの距離が近く、自分の書いたコードが現場の作業効率をどう変えたのかを肌で感じられるところにやりがいがあります。そうした現場との距離の近さは、この領域ならではの強みだと感じています。

CHAPTER 04

このプロジェクトを振り返っての感想を教えてください

H.Y.

東北IDCでは自動倉庫やAGVを本格的に導入したことで、従来は人が棚まで歩いてピッキングしていた作業を大幅に省人化しました。今後、コクヨさまの既存拠点である首都圏IDCや近畿IDCでも自動化が求められるでしょうし、近い将来、新たにそれらのシステム改修プロジェクトが立ち上がるかもしれません。物流業界全体で人手不足が深刻化する中、システムによる自動化・省人化のニーズは確実に拡大しており、我々の仕事の意義はますます大きくなっていると感じています。

H.D.

個人としては、データベース周りの知識をさらに深めていきたいと考えています。IT系の資格を取得したとしても、お客さまごとに業務の形態が異なるため、すべてがそのまま活かせるわけではありません。しかし、データベースの知識は開発やシステム構成を検討する際の確かな土台になりますし、調査にかかる時間の短縮にも直結します。そこを着実に磨いていきたいですね。

S.D.

まずはWMSの基本的な仕組みを1年以内にしっかりと理解することが目標です。前職とは使用しているプログラムも言語もまったく異なるため、その理解を深める努力を続けていくことが急務。本プロジェクトはまだ道半ばですが、取り組むほどに自分のできる領域が広がっていく実感があります。お客さまに対してベストな提案ができるエンジニアになることを目指しています。

H.Y.

「物流システム」「在庫管理」という言葉からは、地味な印象を抱くかもしれません。しかし実際には、最新の自動倉庫やAGVといった先端技術と密接に関わる仕事です。自分たちが構築したシステムが巨大な倉庫の中で稼働し、世の中のモノの流れを支えている。そこに大きなやりがいを感じていますし、これからも関わり続けていきたいと思っています。

お客様の声

  • TIISさんとは20年以上のお付き合いになります。今回の東北IDCプロジェクトは、自動倉庫やAGVといった新しい設備を導入することもあり、過去最大規模の開発になりました。やるべきことは多かったのですが、こちらの要望に対して「こういうことならできます」「こうするとここにも影響が出ます」と、影響範囲まで見定めた上でご提案をいただける視野の広さに大変助かっています。タイトなスケジュールであっても柔軟に対応してくださる姿勢は、長くお付き合いしてきた中でも一貫して変わりません。まずはこの大きなプロジェクトを一丸となって成功させること。そしてゆくゆくは、東北IDCで構築した仕組みを他の拠点にも横展開していきたいと考えています。

    コクヨサプライロジスティクス株式会社 Sさま