MEMBER

2013年 中途入社

先行開発チームリーダー

O.T.

2014年 新卒入社

充電統括制御チームリーダー

U.A.

2015年 新卒入社

充電出力制御チームリーダー

S.T.

CHAPTER 01

プロジェクト発足の背景

豊田自動織機が開発・生産する車載用充電器の組込みソフトウェアを、TIISが一貫して手がけたプロジェクト。PHEV・BEVの市場拡大に伴い高度化し続ける充電制御の要求に対し、先行試作から量産ソフトまで全領域で応えることで、信頼関係を築いてきました。

・発端:開発規模の拡大に伴い、豊田自動織機単独でのリソース確保が困難に。グループ内でノウハウを蓄積しながら同一拠点でスピーディに開発を進めるため、TIISへの委託が開始された
・技術的背景:豊田自動織機では1990年代から車載充電器・DC-DCコンバーターの開発に着手。世代を重ねるごとに高度化を続けている
・TIISの役割:充電器製品の頭脳となるECUソフトウェア開発を、3つの専門チーム体制で担う

プロジェクトを開始する前に、車載充電器開発に対する挑戦課題を整理しました。

1. 広範な技術領域への対応
・ パワーエレクトロニクスや電気特性など、従来のソフトウェア開発では扱わなかったハードウェア領域の知識が必須
・ アプリケーション、フェイルセーフ、プラットフォーム、通信、ダイアグ(車両診断)まで、V字工程の全領域をカバーする開発範囲
・先行開発、充電統括制御、充電出力制御という異なる専門性を持つ3チームの並行運営
2. 世代交代と技術革新の同時進行
・チームとして経験の少ない技術領域および開発環境への対応
・ 既存の派生開発とは異なる、まったく新しい構成への対応
・ 生産車両のスケジュールを遵守しながら新技術を取り込むマネジメントの難度
3. 人材と組織の持続性
・ 案件歴の長いメンバーの退職・異動による知見流出リスク
・ 若手・未経験者の育成と即戦力化の両立
・ 属人化を排し、チーム全体で対応可能な体制づくり

CHAPTER 02

それぞれのチームが担っている領域と、プロジェクト全体のなかでの位置づけは

O.T.

私たちのチームは先行開発を担当しています。試作段階にある充電器に対して、マイコンを核としたソフトウェア全般の設計・実装を行い、入出力制御や充電電流・電圧を最適化するパワー制御を通じて、充電動作そのものを成立させるのが主な役割です。ハードウェアは豊田自動織機さんが担当されているため、実機評価では波形を一緒に見ながら、要求性能の実現に取り組んでいます。試作ごとに構成や要求が異なるので、その都度柔軟に対応しながらソフトウェアの側面から試作機の立ち上げを支援しています。

U.A.

私が担当している充電統括制御とは、簡単に言うと「充電スタンドと車両ECUとの間で情報をやり取りし、何ワットで充電するのが最適か」を判断するソフトウェアです。車両には他にもさまざまな制御をおこなうECUが搭載されていますが、それらと通信しながら各種センサや車両機器の状態を見て、充電の開始・停止・出力調整を制御しています。開発工程としては設計書の作成からコーディング、テストまでV字工程のほぼ全領域を経験するチームで、アプリケーション、フェイルセーフ、プラットフォーム、通信、ダイアグ(車両診断機能)まで多岐にわたる機能を扱っています。

S.T.

私のチームは充電出力制御の領域で、U.A.のチームから充電の指令が来たあと、実際に機器を動かして充給電制御をおこなう部分を担っています。車のバッテリーを充電するだけでなく、外部に接続された家電などに給電する機能も含まれます。加えて、3チームの営業窓口も担っていますので、豊田自動織機さんとの調整やプロジェクト全体の進行管理に携わる場面も多いですね。

CHAPTER 03

チームとして直面した技術的な壁と、それをどのように乗り越えたか教えてください

U.A.

とくに大変だったのは、チームとして経験の少ない技術領域および開発環境への対応です。自チームだけでは技術的な解決が難しかった領域は、社内の専門部署と連携しました。生産車両全体のスケジュールを守りながら新技術に対応する、そのマネジメントがもっとも神経を使った部分です。

O.T.

先行開発では「知識・経験不足と広い対応範囲」が第一の壁でした。パワーエレクトロニクスや電気特性といったハードウェア領域の知識は、従来のソフト開発経験だけでは通用しません。少人数のチームで新たな知識をインプットしながらソフトウェア全体をカバーしなければならない点は、大変だったことのひとつです。
第二の壁は「原因の切り分け」です。実機評価で異常な電流や電圧波形が観測されたとき、それがハードウェア起因なのか、ソフトウェア起因なのか、あるいは物理現象なのかを特定するのが非常に困難でした。とくにソフトウェアの不具合がハードウェアの故障を引き起こすリスクもあるため、「自分たちのソフトが原因になっていないか」を確認する作業には相当神経を使いました。

S.T.

うちのチームは人の入れ替わりへの対応が大きな課題でした。途中、案件歴の長いメンバーが異動し、経験の浅い若手メンバーを増員しながら案件を回すことに。基本的には経験者がサポートしつつ、若手メンバーには意図的に未経験のアイテムを割り当てて、少しずつ対応領域を広げてもらうようにしています。

CHAPTER 04

チーム運営や人材育成で心がけていることはありますか

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O.T.

私たちのチームは人数が多くない分扱う範囲が広く、だからこそ、属人化させないよう情報共有を徹底しています。毎日のミーティングでノウハウやトラブル事例を共有しているほか、定期的な勉強会を通じて、チーム全体の能力を伸ばしていけるよう心がけています。

S.T.

「属人化させない」は、私たちも意識していることです。「この人しかわからない」という状態を極力なくすことが大切だと思っていますので、定期的に依頼のある作業であれば、誰でも対応できる体制の構築に努めています。また、協力会社さんやメンバーに感謝を伝えることを心がけています。

U.A.

私たちのチームでは、一人ひとりが能動的に動ける環境をつくることを重視しています。まずは自分で考えて、不明点があれば有識者に質問する。すぐに人に頼るのではなく、自分の頭で考えてから行動する。そうしたマインドがチーム全体に浸透してきたことで、問題が起きたときにリーダーだけが動くのではなく、わかる人が自主的に手を差し伸べる文化になってきていると感じます。属人化の解消とスキルアップは表裏一体で、みんなのベースが上がってきたからこそ、自主的に動けるようになっています。

CHAPTER 05

この仕事のやりがいや面白さはどんなところにありますか

O.T.

やはり、自分たちがつくったソフトウェアで実際に充電器が動き出した瞬間の達成感は何物にも代えがたいですね。うちのメンバーはみんなおとなしいので大騒ぎはしませんが、静かに「やった!」という喜びを分かち合っている感覚があります。
また、先行開発はアプリケーションからドライバまで一貫して自分たちで手がけるので、ソフト開発だけでは見えなかった製品全体の理解が深まります。実際に、この数年間でチームとしてもかなり成長できたと感じています。
加えて、豊田自動織機さんとの距離の近さもこの仕事の魅力です。何かトラブルがあればハードウェアとソフトウェアの担当者が一緒になって解決にあたります。このように川上から川下までを見渡せる環境は、他の会社ではなかなか経験できないことだと思います。私自身、本プロジェクトに関わったことで回路やハードウェアについて学ぶ機会を得ました が、とてもいい経験になっています。

U.A.

開発のV字工程を全領域経験できるところは、本チームならではの強みだと思います。設計書を書いて、コードを書いて、テストをおこなって、さらにアプリケーションからプラットフォーム、通信まで幅広い機能に携わる。それを継続してきたことで、確かなノウハウと経験が蓄積されました。
チーム全体のベースが上がってきたことで「誰かしかわからない」という状態がなくなりつつあり、みんなで協力できる体制に変わってきています。若手が多いチームではありますが、それぞれが自主的に考えて行動する文化が根づいてきた手応えはあります。組込みソフトの世界で腰を据えてスキルを積み上げたい方にとっては、やりがいのあるフィールドだと思います。

S.T.

開発環境が豊田自動織機さんの工場内にあるので、つくったものをすぐ下の階で動かして、何かあればすぐ戻って解析できる。ハードウェアの担当者もソフトウェアの担当者もすぐそばにいて、トラブルがあれば一緒に波形を見ながら考える。この距離感とスピード感は、グループ会社だからこそ実現できるもので、開発者としての醍醐味だと思います。
TIISは、自分から「こういう勉強がしたい」と手を挙げれば受けさせてもらえる環境が整っています。待つだけではなく、相談でも質問でも自分からアクションを起こしてくれる人と一緒に仕事がしたいですね。